黙夫の詩の菜園 言葉の収穫

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銀色の種

ひび割れた荒野の
死んだ大地の上に
銀色の種を


しあわせが育つように


川もなく森もなく
雨も降らないこの病んだ大地に
銀色の種を蒔く


きぼうが芽生めばえるように


雨はなくとも涙がある
涙で大地をそぼつかせれば
銀色の種は育つだろう


よろこびはきっとそこにある


灼熱の光線が
万の矢となって降り注ぎ
どんな植物の芽も射殺いころ


それでも銀色の種を蒔く


大地は病にせっている
生命いのちぎ取る土の匂いに
涙を流すことさえ叶わぬだろう


それでもあえて銀色の種を蒔く


ぜつぼうに打ちひしがれないために