黙夫の詩の菜園 言葉の収穫

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君の白は僕の黒

君の白は僕の黒であり
君の愛は僕の憎しみである


君の笑顔は僕の涙であり
君の誠実は僕の不実である


君の子宮は僕の魂であり
君の正解は僕の間違いである


ねぇ君、わかるでしょう?
そういうことなんだよ


君は僕の皮膚を見て
僕は君の臓腑ぞうふを見る


君は僕の言葉を聞いて
僕は君の沈黙を聞く


君は僕のそばで語り
僕は君の影で語る


君ならわかるよね?
いい加減わかって欲しいな


君が僕の頭をなじるから
僕は君に接吻せっぷんするんだ


君が僕の傷をあざけるから
僕は君にしがみつくんだ


君が僕の背中をさするから
僕は君につばをくんだ


君、もういいでしょう
これ以上僕に言わせないでくれ


つまり君と僕とは対角線
清音せいおん濁音だくおんのようなものなのさ
大豆と納豆のようなものだとも言える


君と僕とは共役対きょうやくつい
酸と塩基のようなものなのだから
僕は君に忠誠を捧げるし
君は僕に‘解’とムチを与えればいい


それが嫌だと君が言うのなら
僕は心底、君を恨むだろう


君の37兆個の細胞ひとつひとつに
あらん限りの罵声ばせいを浴びせるだろう


そういうことだから君
あとはもう、わかるよね?