黙夫の詩の菜園 言葉の収穫

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希望の等価交換

焼けただれた白い手の中に、希望を、握りしめ、深い洞窟の中に走って逃げていく、ぼろきれをまとった少年、のからわらにはいつも、死の妖精たちがブンブンとたかり、少年の最後の、希望を、根こそぎにしようと、ツケ狙っている、、、洞窟は惑星の子宮、血と獣のにおいに満ちた、鉱石の海の、温かなマグマの、太母たいぼうつろな優しさの、その中へ、、、少年は、決して、後ろを振り返らず、一心に洞窟の奥へ、奥へ、、、妖精のささやき、ください、ください、あなたのソレ・・を、、、等価交換、希望の等価交換、死と絶望と引き換えに、見合うだけのコレと交換、、、さぁ早く、価値は変動するから、いますぐに、、、高騰、もうダメだ、遅い、一瞬の判断もできなかった、クズでぐず・・な少年、もはや命と魂の両方がないと割に合わない、、、うるさい、うるさい、価値を語るな、交換などクソくらえ、ハエどもは消えろ、価値などおのれのために何も貢献などせぬ、、、妖精が叫ぶ、等価交換は《法》である、少年は転ぶ、白い手が灰色に変わる、握りしめた手の中から、希望が、飛び散る、妖精たちが、すかさず、ソレ・・っさらう、、、やめろ、やめろ、触るな、やめろ、返せ、返せ、やめろ、やめろ、ソレに触るな、どうして、どうして、なぜなんだ、なぜこんなことが、許されるのか、やめろ、かえせ、頼むから、やめてくれ、かえせ、かえせ、かえして、お願いだよ、ソレだけはやめてくれ、命も魂もやるから、たのむ、かえせ、かえして、おねがいだ、かえして、かえして、ゆるして、ゆるして、あげるから、何だってあげるから、ソレだけはやめて、やめて、やめてください、かえしてください、おねがいします、どうか、どうか、やめろ、かえせ、どうか、おねがい、かえせ、たのむ、どうして、おねがい、ゆるして、かえして、やめて、かえせ、おねがい、どうして、ゆるして、ください、たのむ、やめて、なぜ、かえして、おねがい、どうして、ゆるして、かえして、やめて、どうか、やめて、ください、おねがい、どうして、たのむ、かえせ、やめて、どうか、おねがい、どうして、やめて、かえせ、かえして、かえして、かえして、かえして、かえして、かえして、かえして、かえして、、、