黙夫の詩の菜園 言葉の収穫

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天使のささやき

奇跡はいつだって起きている
ほら、今だって
幸運はどこにでも転がっている
ほら、そこにも


──なんだって?
そんなものはないって?
そうやすやすとは起こらないって?
そんな簡単には見つからないって?


──まったく、あわれな存在だな君は
何のために目がついているのか
何のために耳があるのか
君の口は何のためにある?
君の皮膚はなぜ全身を包む?


君はなぁんにも見ちゃいないんだな
君はなぁんにも聴いちゃいないんだな
君はロクでもないものしか口にしないし
君の肌は欠乏しか感知しない


──まったく、あきれるねぇ
せっかく楽園に住まわしてもらっているというのに
君ときたら不平しか言わないのだから


いっそのことの
君の目をいてやろうか
君の耳を潰してやろうか
君の口を固めてしまおうか
君の皮膚を腐らせようか


──そうだ、それがいい
そうした方が君はもっと賢くなれる
君はもっとよくミエルようになるし
君はもっとよくキコエルようになる
君はロクでもない事をクチ走らなくなるし
君は満たされていることをカンジルだろう


──そういうことだから君、
ちょっと痛いけど我慢してな