奇跡はいつだって起きている
ほら、今だって
幸運はどこにでも転がっている
ほら、そこにも
──なんだって?
そんなものはないって?
そうやすやすとは起こらないって?
そんな簡単には見つからないって?
──まったく、
何のために目がついているのか
何のために耳があるのか
君の口は何のためにある?
君の皮膚はなぜ全身を包む?
君はなぁんにも見ちゃいないんだな
君はなぁんにも聴いちゃいないんだな
君はロクでもないものしか口にしないし
君の肌は欠乏しか感知しない
──まったく、
せっかく楽園に住まわしてもらっているというのに
君ときたら不平しか言わないのだから
いっそのことの
君の目を
君の耳を潰してやろうか
君の口を固めてしまおうか
君の皮膚を腐らせようか
──そうだ、それがいい
そうした方が君はもっと賢くなれる
君はもっとよくミエルようになるし
君はもっとよくキコエルようになる
君はロクでもない事をクチ走らなくなるし
君は満たされていることをカンジルだろう
──そういうことだから君、
ちょっと痛いけど我慢してな