黙夫の詩の菜園 言葉の収穫

自作詩を載せるブログ TikTokで朗読もやってます

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危機的状況

コンクリートいばらの下で
石でできたパンを食べる


小さな文字でびっしりと埋められた
手紙を読んで深いため息を


ラジオが発するノイズ
バタバタとたけり狂う文鳥
染みだらけの窓から差す陽の光


それらは別にいい
それらは別に危険ではない


だが、挨拶をする/されること
これは本当に危険だ
心がざわついて脂汗が止まらなくなる


東洋だろうが西洋だろうが
先進文明だろうが古い文明だろうが
挨拶のない社会はない


恐ろしい
これは本当に危機的状況だ


泥のコーヒーをすすって
小指をせわしなく屈伸させる


ラジオが発するノイズ
バタバタと猛り狂う文鳥
染みだらけの窓から差す陽の光


それらに身をゆだねて
心の平穏を保つ


大丈夫だ
挨拶さえしなければ/されなければ
今日という日を無事生きのびられる


勇気をもって外へ出よう