2023-05-25 森の中 自作詩 虚無 暗き森の陰気なさざめき 獣の咆哮(ほうこう)、闇を突く 瘴気(しょうき)に当てられ、小鳥は咽(むせ)び 野花(のばな)は影でほくそ笑む 月光に映(は)えるは、放浪の魂 泣訴(きゅうそ)の鼻声、不協和に沈む 凶逆(きょうぎゃく)の眼光、周囲を哨戒(しょうかい) 腐肉を求めて嗅(か)ぎ回る ひとり彷徨(さまよ)う、我が半身 森の果実は何処(どこ)へやら 腐敗の一途(いっと)を、ひた歩き 宵(よい)の夢喰い、明けを待つ 森のかほりに酔いしれて 凍える心(ハート)に楔(くさび)打ち 血反吐(へど)の香油(こうゆ)で身を清め ぶらりんぶらりん、ひた歩く