眠りとともに夢から覚めて
太陽が東から沈み西へと昇る
影のあるところに光が出来て
鳥が地面を優雅に泳ぐ
──何もおかしくはない
おかしいのは私の存在だけ
子どもから親が産まれ
空から草花が萌え
水が溶けて氷となり
密室の中に風が吹き抜ける
──何も間違ってはいない
間違っているのは私の主張だけ
明日の次に昨日が来て
晴れた日にしとしとと雨が降る
悲しい時に笑顔が
地球が月の周りを回っている
──何も狂ってなどない
狂ってるのは私の愛だけ
くず鉄から金塊が作られ
バス停で電車を待つ
憎悪の優しさに心が癒えて
世界の破滅のおかげで変わらぬ日常を送る
──何も直すべきところはない
何もかもが私なだけ